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『Die With Zero』を読んで──アリとキリギリス、「足るを知る」、そして“今”を生きるということ

  • 執筆者の写真: 広 天田
    広 天田
  • 6月8日
  • 読了時間: 3分

『Die With Zero(ゼロで死ね)』という本を読みました。

タイトルだけを見ると少し過激にも思えますが、読み進めるうちに、それは人生をより深く味わうための静かなる示唆がありました。


著者・ビル・パーキンス氏は、「いかに資産を残すか」ではなく、

「いかに後悔なく、使い切って人生を終えるか」に焦点を当てています。


特に印象的だったのが、あの「アリとキリギリス」の寓話を逆の視点で捉えていたことです。


働き続けて備えるアリ。遊んで歌って冬に困るキリギリス。

私たちは長い間、アリの立場を“正解”と教わってきました。

けれど著者は問いかけます。


「もし冬が来なかったら? アリのように備え続け、結局なにも使わずに人生が終わってしまったら?」


この問いに、私はハッとしました。





ふだん見過ごしがちな、“いま”の価値



私たちは日々、仕事に追われ、将来に備え、責任を果たすことに忙しく生きています。

もちろん、それはとても大切なことです。


けれど気がつけば、「いつかやろう」「そのうち落ち着いたら」と思っていたことが、先延ばしになったままになってはいないでしょうか。


健康や体力、時間、そしてお金。

そのすべてがそろっている“今”は、実はとても貴重で、有限なのだと、改めて気づかされました。





『Die With Zero』が教えてくれた、3つの視点




① 時間・お金・健康の“黄金バランス”を意識する



人生には「今しかできないこと」があります。

体力があるうちにしかできない旅や挑戦、人との時間に思い切って投資する視点を持ちたいと思いました。



② 思い出こそが、人生の“配当”になる



高価なモノよりも、心が動いた経験や出会いは、何度でも人生に彩りを与えます。

それはきっと、人生にとっての“本当の資産”なのかもしれません。



③ 「足るを知る」ことで、心に余白が生まれる



もっと欲しい、もっと蓄えたいと望む気持ちは尽きません。

でも、「もう十分だ」と思えたとき、私たちは初めて、自由になれるのかもしれません。




この本は、ただ「浪費しよう」と言っているわけではありません。

限られた人生の時間を、自分らしく、悔いなく生ききることの大切さを教えてくれます。


「いつか」ではなく、「いま」どう生きるか。

その問いかけは、私たち自身が向き合うべきテーマであり、人生の軸を整えてくれるものだと感じました。




私たちがいま、大切にしたい“体験”は何か。

誰と、どんな時間を過ごしたいのか。

限られた資源を、どこにどう使いたいのか。


その問いを、自分に正直に投げかけながら、

私たちは「ゼロで死ぬ」ではなく、「生ききったと思える人生」を目指したいと思います。


 
 
 

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