バズる曲が教えてくれた、“肯定”の力
- 広 天田
- 6月19日
- 読了時間: 2分
今朝(6/19)の上毛新聞の一面に掲載されていた、館林市出身の木村ミサさんのインタビュー記事を読んだ。彼女は「KAWAii LAB.」というアイドルプロジェクトの総合プロデューサーを務める一方で、「多様性の肯定」をテーマにした楽曲をSNSでバズらせている。音楽で“かわいさ”を表現しながら、その裏にあるのは「あなたのままでいい」「どんな違いも受け入れていい」という、静かだけれど力強いメッセージだ。
木村さんの曲には、自分を肯定できなかった過去や、周囲に合わせすぎて苦しんだ経験が背景にあるという。だからこそ、彼女の音楽はただ耳に残るメロディーだけでなく、聴く人の心にやさしく寄り添う力を持っている。SNSでは、「勇気をもらえた」「自分の居場所があると思えた」という声が多数寄せられているという。まさに、音楽が“居場所”になる時代。そこに、今の社会が求めているものが映し出されていると感じた。
わたしたちが運営する施設も、多様な人たちが共に暮らし、共に働く場だ。認知症の方もいれば、障害を持つ方もいる。外国にルーツを持つスタッフもいるし、価値観も人生経験も本当にバラバラだ。でも、その“違い”を否定するのではなく、「そのままでいいよ」と認め合うことこそが、本質なのではないかと思う。
“多様性の肯定”はただの綺麗ごとではなく、これからの組織づくりにおける重要なキーワードだと感じている。一人ひとりの違いを尊重することは、個々の強みを引き出すことにつながるし、多様な視点が集まるからこそ、新しい価値が生まれる。それは、福祉施設の現場でも、経営戦略の中でも、同じことだ。
「音楽で世界を少しでも肯定できたら」と語る木村さんの姿勢に、深く共感した。わたしたちもまた、「介護」というフィールドで、目の前の人をまるごと肯定できる存在でありたい。その人らしさを大切にしながら、「いま幸せです、ともに想える人生に」という理念を、日々のケアの中で形にしていきたい。
多様性を恐れず、受け入れ、育てていく。それが、これからの福祉のあるべき姿であり、私たちの挑戦だと感じている。

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