仕事で成果を出すときに、「質」と「量」のどちらが大事か。よく議論になりますが、最近読んだ「失敗の科学」という本にこんな一節がありますので引用して自分なりの解釈を述べたいと思います。
ある陶芸クラスの初日、生徒が2組に分けられ、一方は作品を「量」で評価し、もう一方は「質」で評価すると告げられた。
量のグループは、最終日に全作品を提出し、各自、総重量が50ポンド(約23キロ)なら「A」、40ポンド(約28キロ)なら「B」と評価される。
質のグループは、質のみによる評価なので、自分で最高だと思う作品をひとつ提出すればいい。
その結果、面白い事実が明らかになった。全作品中最も「質」の高い作品を出したのは、「量」を求めたグループだったのだ。ベイルズとオーランドはこう指摘する。
量のグループは、実際に作品を次から次へと作って試行錯護を重ね、粘土の扱いも上手くなっていった。しかし質のグループは、最初から完璧な作品を作ろうとするあまり、頭で考えることに時間をかけすぎてしまった。結局あとに残ったのは、壮大な理論と粘土の塊だった。
思い返せば、20代の営業マン時代、とにかく思いつく限りの仕事(量)をこなしていく中で、体力の限界を知り、効率が上がり、無駄を無くし、入社時に比べて質が高い仕事や意思決定ができるようになった記憶があります。
各々の職種間で、抱える仕事はたくさんあると思います。仕事の「質」を上げたいと思うのであれば、目の前にある「量」をとにかくこなしていきたいです。量をこなし、反省し、次はもっといい仕事をする。これを一人ひとりが繰り返せれば、チーム全体のレベルを底上げできると思います。
一つの仕事に時間や魂を込めるのをやめる。
失敗してもいいから、どんどん仕事を取りに行く気概を持つ。
創業後間もない若いチームこそ、「量」をこなして「質」を高めていきたく思います。
Comments