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CEFRが教えてくれる「仲介」の力

  • 執筆者の写真: 広 天田
    広 天田
  • 7 日前
  • 読了時間: 3分

~多文化共創の時代に求められる介護人材とは~


三山グループでは、外国人介護職員とともに日々の介護を実践しています。その中で感じるのは、「日本語が話せること」と「良い介護ができること」は必ずしも同じではないということです。


私は近年、世界の言語教育の共通指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の考え方に触れ、その答えの一つを見つけました。それが「仲介(Mediation)」という考え方です。仲介という言葉から、通訳や翻訳を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかしCEFRが示す仲介はそれだけではありません。相手に分かりやすく説明すること。異なる価値観を持つ人同士の理解を助けること。誤解を防ぎながら共通理解をつくること。チームの認識をそろえること。つまり、人と人との間に立ち、理解をつなぐ力です。


介護はまさに「仲介」の仕事だと感じています。例えば、日本の介護では「自立支援」という考え方を大切にしています。利用者様ができることはできるだけ続けていただき、その人らしい生活を支援するという考え方です。しかし海外では、「できないことはすべて手伝うことが良い介護」と考えられている国もあります。そのため、「自立支援を意識してください」と日本語で伝えただけでは、本当の意味は伝わりません。


なぜ日本ではそう考えるのか。なぜ利用者様自身にできることを続けてもらうのか。その背景や価値観まで共有して初めて理解につながります。これは日本語教育ではなく、「概念の仲介」と呼べるものです。私たちが推進している「やさしい日本語」も同じです。やさしい日本語とは、単に簡単な言葉を使うことではありません。相手に伝わるように情報を整理し、理解できる形に変換することです。


「適宜対応してください」ではなく「今日の17時までにお願いします」

「経過観察してください」ではなく「熱・咳・食事量を確認してください」


具体的に伝える、これも仲介の実践です。


群馬県は全国でも有数の外国人集住県です。県内には多くの外国人住民が暮らし、介護・製造業・建設業・飲食業・農業・宿泊業など様々な分野で活躍しています。今後さらに人口減少が進む中で、外国人材は地域社会を支える重要な存在となっていくでしょう。


だからこそ必要なのは、「外国人が日本に合わせる」だけの時代ではなく、日本人も外国人も互いに学び合いながら成長していく関係づくりです。私はこれからの社会に必要なのは「多文化共生」の先にある「多文化共創」だと考えています。異なる文化や価値観を持つ人たちが、お互いを理解し、それぞれの強みを活かしながら新しい価値を生み出していく社会です。


社会福祉法人三山会が掲げる理念は、「いま幸せです、ともに想える人生に」です。利用者様だけでなく、職員一人ひとりも幸せを感じながら働ける職場でありたいと考えています。

そのために必要なのは、高度な日本語力だけではありません。相手の立場を理解し、価値観をつなぎ、共通理解をつくる力。CEFRでいう「仲介力(Mediation)」です。これからの介護現場では、その力を持つ人材こそが地域を支え、多文化共創社会の担い手になっていくのではないでしょうか。皆さんの職場では、「仲介」はできていますか。



 
 
 

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