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草むしりから始まる1日

  • 執筆者の写真: 広 天田
    広 天田
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

最近、朝の時間を少しだけ見直しています。


なんとなく始まっていた一日を、少しだけ整えてから動き出す。そんな時間の中で、家のまわりの草むしりをするようになりました。家庭内で取り組んでいる「一日一善」の一つです。


黙々と草をむしっていると、だんだん無心になってきます。ただ手を動かしているだけなのに、なぜか心が落ち着く。そんな朝のひとときに、ふと思い出した本がありました。


『雑草はなぜそこに生えているのか』


稲垣栄洋さんの本です。タイトルに惹かれて手に取ったのですが、読んでみると、雑草の「戦略的な生き方」に驚かされます。雑草は、ただ気まぐれに生えているわけではありません。彼らには彼らなりの「生き残り戦略」があります。



たとえば――


  • あえて栄養の少ない土地を選ぶ

  • 日陰や踏みつけられやすい場所に身を置く

  • 他の植物が育ちにくい環境で、自分だけの居場所を確保する


競争を避け、あえて“条件が悪そうな場所”を選び、その中でしぶとく生き抜いているのです。これは、経営のヒントにもなりそうだと感じました。



「戦わない」ことも、立派な戦略



つい私たちは「勝つこと」「シェアを取ること」に目を向けがちです。でも、すでにプレイヤーが多く、競争が激しい場所に無理やり飛び込んでいって、体力を削ってしまうこともあります。


雑草は、あえて競争の少ない場所を選ぶことで、しっかり根を張ります。見方を変えればそれは、“勝てる場所を選んでいる”ということでもあります。


限られた資源でどう戦うか。あえて競争を避けて、ニッチな土壌に深く入り込む。これは、ひとつの経営戦略そのものだと思います。



自社の「根を張る場所」はどこだろう?



草をむしりながら考えました。

・自分たちは、どんな環境でなら無理なく力を発揮できるか

・他と同じように戦うのではなく、自分たちだからこそできるやり方があるのではないか

・“王道”でなくても、“適地”を見つければ長く続けられるのではないか


むしろ、「人が見向きもしなかった場所」こそ、自社にとってのチャンスかもしれない――そんなふうに思えてきました。



雑草は「弱さの象徴」ではない。むしろ「環境適応のプロ」



雑草は、決して根性だけで生きているわけではありません。状況を冷静に見て、自分にとって最適な場所を見極め、必要最小限のリソースでしぶとく生きる。その姿勢に、学ぶことがたくさんあるなと感じました。


派手ではなくても、無理をせず、確実に育っていける土壌を探すこと。それが、これからの経営に求められる視点かもしれません。



草むしりをしていると、つい「また生えてきたか」と思ってしまいます。でも、その「また生えてくる」強さこそ、時代を生き抜くヒントなのかもしれません。しなやかに、したたかに、でもやさしく。今日もまた、雑草に学びながら、厳しい経営の地でも、しなやかに根を張っていきたと思います。



 
 
 

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