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「熱意が道をきりひらく」──ハシゴは、熱意ある者にしか見えない

  • 執筆者の写真: 広 天田
    広 天田
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

大阪で国際営業の仕事をしていた頃、門真市にあるパナソニックミュージアムを訪れたのを思い出した。松下幸之助の生き様や会社の原点を感じられるその場所は、当時の自分にとっても“原点に立ち返る場所”だった。

館内の売店で出会った短編集――『松下幸之助のことば』。それからというもの、私は毎朝、それを見ることが日課になった。

ある朝、ふと目に留まったのがこの言葉だった。


「熱意が道をきりひらく」

この言葉には、ハッとさせられる話が続いている。松下さんはこんなたとえをしていた。


「2階にのぼるためにはハシゴが必要や。でも、“なんとなく2階に行けたらいいな”という気持ちでは、ハシゴそのものが思いつかん。“どうしても2階に行きたい”という切実な思い、熱意があるからこそ、“そうか、ハシゴをかけよう”という発想が生まれるんや。」

たしかに、「あったらいいな」レベルの願望じゃ、ハシゴなんて思いつかない。“俺の唯一の目的は2階にのぼることだ”という、心の底から湧き上がる情熱があってはじめて、人は知恵を絞り、行動を起こす。そして松下さんは続ける。


「熱意がない人間は、芯のない豆腐みたいなもんや。」

この言葉、刺さる。

介護経営においても、同じだと思う。

「どうしたら良くなるか」なんて、軽く考えても答えは出ない。

“なんとかしたい”という本気の熱意がある人にだけ、見えてくる方法がある。

制度や設備や環境――それは全部「ハシゴ」だ。

けれど、まず何より必要なのは、


“どうしても、のぼりたい”という熱意。


それがなければ、ハシゴは思いつかないし、あっても登れない。

だから今日も、現場のど真ん中に立って、胸の内に熱を持ちたい。

自分の豆腐が、グラグラに煮崩れないように。

そんな覚悟で、また一歩。

 
 
 

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