減税よりも「稼ぐ力」を
- 広 天田
- 3 日前
- 読了時間: 3分
サタデーモーニング!みなさんこんにちは。
実は、経済学部経営学科の大学出身のわたくし。最近の選挙の争点にもなっている「減税」について、思うことがあります。たまには、ちょっとだけ固いことを話したい思います。
減税は「一時しのぎ」に過ぎない?
選挙のたびに「減税」という言葉が飛び交います。
もちろん、目先の手取りが増えれば嬉しい。でも、それだけで私たちの暮らしは豊かになるでしょうか?
減税とは、言わば国が一時的に財布のひもを緩めるようなもの。短期的な恩恵はありますが、社会保障の財源が減れば、結局は自分たちに跳ね返ってきます。
経済学的に見れば、持続可能な社会に必要なのは「手取りを増やすこと」ではなく、「稼ぐ力そのもの」を底上げすることです。
稼ぐ力とは何か?
「稼ぐ力」とは単に労働時間を増やすことではありません。
自分の強みを活かして、価値を提供できる力
知識やスキルを磨いて、報酬に変える力
働き続けられる環境の中で、自立して生きていく力
この「稼ぐ力」が社会全体で育っていけば、結果として税収も増え、減税以上の豊かさが生まれます。
社会福祉法人三山会の取り組み
私たちは、「稼ぐ力=人に投資すること」と捉え、本人が自ら希望して参加する研修やセミナーには支援する制度を設けています。
誰かに言われて受ける研修ではなく、「これを学びたい」「これを仕事に活かしたい」という前向きな気持ちを応援する。そうした小さな支援が、長い目で見れば“力を持つ職員”を増やし、結果的に職場も社会も豊かにしていくと信じています。
現場で感じる「もったいない構造」
たとえば、パートで働く職員さんが「103万円を超えないようにシフトを調整している」とよく耳にします。せっかく意欲も能力もあるのに、制度が“働きすぎない方が得”というメッセージを出してしまっている。
国民民主党が「壁を178万円に引き上げよう」と提案し、与党が「123万円」と応じた議論も、成田悠輔さんはこう評しています。
「所詮、数兆円程度の話。日本人が稼いでいる金額の1%ぐらいを戻すか戻さないかの話でしかない」
これが、いまの日本の“制度議論の限界”なのかもしれません。
減税ではなく、「人が育つ環境」を
減税で一時的に喜ぶより、稼げる人が増え、働き続けられる環境を整える方がずっと重要です。
福祉の現場で言えば——
スキルアップが収入に反映される仕組み
働き方の柔軟性と、子育て・介護との両立支援
外国人を含めた多様な人材が「稼げる」社会設計
こうした取り組みが、結果的に「減税を超える豊かさ」につながるのだと思います。
「稼げる社会」は、人に投資する社会
手取りを少し増やすために制度をいじるのではなく、「人に投資し、人が力を発揮できる社会」をつくること。
それこそが、減税よりも本質的な経済政策だと私は考えます。そして、現場から始められることがあると信じています。
私たちはこれからも、「働く人の未来に投資する」組織であり続けます。一人ひとりが力を発揮できる社会を、共に築いていきたいです。

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